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放射能汚染

セシウムとカリウムの身体に対する影響の違いについて教えてください。[日本保健物理学会]

セシウムとカリウムの身体に対する影響の違いについて教えてください。[日本保健物理学会]より転載。

Q 福島県在住 40代 その他職業 女性 の方からいただいたご質問

セシウムとK40の違いについてご質問させていただきます。
食品中に含まれるセシウムが体に及ぼす影響について語られるとき、よく元々食品に含まれているK40のことが引き合いに出されます。
しかし、ある一定以上の量のK40は体内には蓄積されず排出されるそうです。
セシウムとK40では人体に及ぼす影響という点で違いがないのでしょうか。(両方共「放射性物質」であり、体内に取り込んだ場合「内部被ばく」することに変わりはないようですが、例えばセシウムとストロンチウムでは体に及ぼす影響が異なるように、セシウムとK40でも違いがあるのではないでしょうか)
また、セシウムをとりこまないようにカリウムをしっかりとるようにすると良いという説は、正しいのでしょうか。

A 放射線による健康影響の違いを示す指標は「線量」です。カリウム(K-40)、セシウム、ストロンチウムなど、どの放射性物質であっても「線量」が同じであれば見込まれる健康影響も同じと考えられております。ICRP Publ. 72によれば、大人の場合、飲食で放射能1 Bqを摂取した場合、カリウム6.2×10-9Sv、セシウム1.3×10-8Sv、ストロンチウム2.8×10-8Svの預託線量が示されています。この計算には、各放射性物質の体内での動き、排泄、放射線の種類の違い(アルファ線、ベータ線、ガンマ線など)、エネルギーの違いなど、数多くの知見が盛り込まれています。この結果を見ると、ストロンチウムの線量はセシウムの2倍ほど高い、あるいは、カリウムは最も低い線量、とお考えになると思います。それはその通りですが、どれも1ベクレル当たりの値です。ここで最も重要なのは、「どれほどの放射能(Bq:ベクレル)を摂取したか」です。つまり、摂取された量によって、被ばく線量も変化します。今回の福島事故では環境中へのセシウムの放出量に対してストロンチウムは10%以下と見られていますので、体内へも同じ割合で取り込まれるとすると、ストロンチウムの健康影響はセシウムの1/5程度以下と推定されることになります。なお、セシウムは主に筋肉に集まりやすく、ストロンチウムは骨に集まりやすいので、違いがあると思われると思いますが、実効線量のシーベルト単位で見ている限りはこれらの違いも織り込んでいますので、そのまま比較することができます。このように、「線量」や「摂取量」といった観点も考慮いただくと、放射線の影響をより正確にご理解いただけるかと思います。
また、セシウムはカリウムと同族の元素であり、ストロンチウムはカルシウムと同族元素ですが、同族元素は化学的に似た振る舞いをしますので、体内では同じように動くことからカリウムの代わりにセシウムが、カルシウムの代わりにストロンチウムが取り入れられることはあるとされています。ただし、誰でも放射性でない安定なセシウムやストロンチウムを体内に持っていますので、むしろそれらとの交替が推定され、それほど単純ではないと考えられます。

©2011-2012 日本保健物理学会 暮らしの放射線Q&A活動委員会



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