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報道記事

なぜ収束 現場反発 「安定とは程遠い」作業員「政府ウソばかり」[東京新聞]

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2011121702100006.html

 「冷温停止状態」を通り越し「事故収束」にまで踏み込んだ首相発言に、福島第一原発の現場で働く作業員たちからは、「言っている意味が理解できない」「ろくに建屋も入れず、どう核燃料を取り出すのかも分からないのに」などと、あきれと憤りの入り交じった声が上がった

詳細は東京新聞ホームページでご覧ください。

原発相会見で集中砲火

 唐突に飛び出した政府の福島第一原発事故の「収束」宣言。なぜそんなことが言えるのか。16日夜の政府・東電統合対策室の会見では、細野豪志原発事故担当相に対し、疑問視する質問が次々と浴びせられた。話がほとんどかみ合わないまま立ち去ると、会場は一時紛糾した。

 多くの人々が避難を続ける中、反発が当然予想される「収束」という表現をなぜ選んだのか。

 その問いに、細野氏は「ロードマップ(工程表)は『事故の収束に向けた道筋』となっている」とし、工程表の柱「冷温停止状態」が実現されたから「収束」した、との珍妙な理屈を繰り返した。

 しかし、「冷温停止状態=事故収束」とは書かれていない。答弁に批判的な質問が集まると、「あまり言葉尻をとらえないほうがいいと思いますけれども」と反論した。

 溶け落ちた核燃料の場所を問われると、「最終的にどこにあるかは、炉をあけてみなければ誰もわからない」とあっさり認めた上で、「核燃料がどこにあっても、核燃料そのものが冷却されている状況を申し上げている」と釈明した。

 会見が始まって約1時間20分後、質疑が続く中、細野氏がテレビ出演のため退席しようとすると「国民に対する背信行為だ」と記者から罵声が飛び、いったん歩みを止める一幕もあった。

示し合わせたように西沢俊夫社長も退席すると「なぜ帰るんだ」「事前に説明がないじゃないか」と再び大声が飛んだ。

“宣言”に専門家も驚き「あきれた人たち」「間違いじゃないの」

 「そんなこと言ったんですか?」「間違いじゃないの」。首相の「事故収束宣言」には、専門家からも驚きの声が上がった。小出裕章京都大原子炉実験所助教(原子核工学)は「あきれた人たち」と言って沈黙。しばらくして「すみません、私の中ではそれ以外の言葉が探せない」と言葉を継いだ。

 小出助教は福島第一原発は「何とか悪化を食い止めているのが現状」と分析し、ステップ2さえ達成していないと指摘する。今後も強い地震に襲われる可能性がある。そのとき建屋が大きく損傷している4号機の使用済み燃料棒プールにある大量の核燃料は大丈夫なのか、懸念を示した。

 岡本孝司東京大教授(原子力工学)は、原子炉の冷却や水素爆発の防止、再臨界防止の対策が取られていることからステップ2は達成しているとの立場。それでも「収束」という言葉が使われたことには驚きを隠せない。「収束への一歩であることは確か」としながらも、「私個人としては、核燃料を取りだしたときが事故の収束だと思っていた。言葉の解釈の違いなんだろうか・・・」と戸惑った様子だ。

「状況変わらず」「性急」海外メディア反応

■米国
野田佳彦首相が16日、東京電力福島第一原発の原子炉の冷温停止状態と事故収束を宣言したことについて、米CNNテレビ(電子版)は「日本政府は画期的な出来事としようとしているが、現実は違う。過去、約半年間の原発の安全性に関する状況は基本的に変わっていない」との懐疑的な見方を伝えた。

 野田首相の記者会見はCNNなどが中継。関心の高さを示した。

 ニューヨーク・タイムズ紙(同)も宣言に先立ち「事故に対する世論の怒りを鎮めるためだけの勝利宣言」と指摘。「冷温停止」という言葉は、現状に比べ「誇張された印象を与える恐れもある」としていた。(共同)

■韓国
 【ソウル=共同】野田佳彦首相が、東京電力福島第一原発事故で、事故収束への工程表の「ステップ2」完了を宣言したことを、韓国の聯合ニュースは16日「原子炉内部の状況把握もできない状態での事故収束宣言は性急だ」との批判が専門家から出ていることを強調しながら報じた。

■中国
 【北京=共同】東京電力福島第一原発の事故収束への工程表「ステップ2」の完了宣言について、中国国営通信新華社は16日、日本メディアの見方として「宣言は日本政府は国内外に事故対策の進展を示すためのものだ。広範囲の除染や被災者の帰宅など多くの課題を抱え、(日本政府は)社会の批判委さらされるだろう」と指摘し、日本政府の姿勢に疑問を投げ掛けた。

 国営の中国中央テレビも野田佳彦首相の記者会見を生中継し、高い関心を示した。

(c)東京新聞 平成23年12月17日朝刊
 



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